福岡事業所「明るい笑顔が何よりのプレゼント」

福岡県福岡市 S.Kさん(13歳)


Sちゃんは、中学2年生の脳性まひの女の子です。Sちゃんが養護学校から帰って来ると、Sちゃんの家にはいろいろな人達が訪ねて来ます。
まずはSちゃんの宿題を見てくれたり、見守りをしてくれるホームヘルパーさん、次に入浴の介助をしてくれるヘルパーさん達、そして訪問マッサージ・・・。
赤ちゃんの頃のSちゃんは全くお昼寝をしない子で、お母さんは朝から晩までSちゃんを抱っこして外であやす毎日でした。やがて幼稚園に入園しましたが、母親同伴の登園。お母さんの自由になる時間は全くと言ってよい程ありませんでした。

笑顔の女の子のイラスト

平成15年に障害者支援費制度が導入されてからは、お母さんも少しだけ自分の時間を持つ事ができるようになり、ヘルパーの資格を取得しました。今はSちゃんが学校に行っている時間にヘルパーの仕事をしています。ずっとSちゃんの介護をしていたので、利用者さんの気持ちも分かるし、身体介助等は結構得意分野だったりします。
一方、Sちゃんもガイドヘルパーさんに付き添ってもらってお友達とカラオケに行ったり、ボーリングを楽しんだり、クリスマスにはキャナルシティのイルミネーションを見に行ったりしました。そろそろお母さんよりもお友達と一緒の時間を楽しみたいと思う年頃なのかもしれませんね。

思春期を迎えたSちゃんの悩みは、腰痛と麻痺のある体の側弯が激しい事でしたが、そんな時訪問マッサージの制度を知りました。
Sちゃんのマッサージを担当するのは与那覇(よなは)施術者。Sちゃんは“なあなあなあ先生”と呼んでいます。Sちゃんは与那覇施術者がふれあい沖縄から福岡に来たばかりの時に初めて受け持った患者さんでした。
二人はマッサージをしながら色々な話をします。世間を騒がすニュースについて、芸能界の話、まだ行った事のない沖縄の話・・・。決してSちゃんを子供扱いせず、同じ目線で普通に接してくれるのは、Sちゃんにとってもお母さんにとってもうれしい事だったそうです。1日の中で少しでも心地良いと感じる時間を過ごさせてあげたいというのは、お母さんの願いでもありました。
支援費制度、在宅マッサージ制度、色々な制度を利用する事でSちゃんの世界はどんどん広がります。もしこんな制度がなく、家族だけで介護をしなくてはならないとしたら、どんなに大変な事でしょう。Sちゃんに関わる私達にとっても、Sちゃんの明るい笑顔は何よりのプレゼントです。今日もSちゃんの家には大らかな家族の愛情とみんなの笑い声が溢れています。