沖縄事業所「今を生きる」 

沖縄県浦添市 I・Nさん(68歳)


平成5年に発病した日、Nさんは夜遅くまで大学の研究室で学生たちの勉強に付き合っていました。仮眠を取ったNさんは、翌朝目覚めた時、身体の異変に気づきました。右足がうまく運べず、ペンを取っても思うように文字が書けません。診断の結果は脳卒中による右半身まひでした。

退院後、富山県に嫁いだ娘さんの家で3年間の闘病生活を送った後、平成9年に沖縄に戻り、一人暮らしを始めました。
「自分にできることは他人に頼らず自分でやる」「境遇を嘆くことなく、心豊かに、笑顔でいること」を信条に暮らしておられ、いつも穏やかな笑顔で温かく迎えてくださいます。

まだまだ働き盛りの年齢で療養生活に入ったNさんは、介護を受けることやデイサービスに通うことには抵抗がありました。特にデイサービスでは、レクリエーションや行事に参加したくないと思う日や、会話がつまらないと感じることもあります。

でも一人で家にいても自分がだめになってしまう。愚痴をこぼしても周りが変わるわけではない。つまらない所だと思うより、自分にとって楽しいところに変えてしまえばいい-と考えたそうです。Nさんは、何よりも気持ちの持ち方が大切だとおっしゃいます。
デイサービスでは、Nさんのご専門である地理や歴史の話を分かりやすく楽しく工夫して話し、皆さんに喜んでもらっているということです。デイサービスがお休みの日には、地域や学校で教育講演活動もなさっておられます。

また最近、ノート型パソコンを購入したそうです。大学を退職後に手掛け始めましたが、右手が不自由になってしまったためそのままになっている執筆活動を、リハビリを兼ねて再開したいと話しておられます。
「過去(昔)どうだったかよりも、現在(今)をどう生きているか。未来(これから)をどう生きるかが大切」と、眼鏡の奥の優しい目を細めて微笑んでおられました。

パソコンをするおじいちゃん