金沢事業所「TOMORROW IS ANOTHER DAY」

石川県石川郡野々市町 N・Sさん(68歳)


Nさんは「ふれあい金沢」が立ち上がった当初から、かれこれ2年半近く治療を受けてくださっています。「足の甲のむくみが取れて、腰の痛みが楽になったと思います。やはり来てもらえるメリットは大きく、若い施術者達に施術をしてもらいながら、自分の昔話などを上手に聞いてもらえるのがまた大きな楽しみです」と笑顔でおっしゃってくださいます。

Nさんは元高校英語教師。あと10年で定年退職という時に脳梗塞を発症しました。軽い左まひが残りましたが、4ヶ月の入院生活を送って職場復帰されました。しかしそれから5年後、「パーキンソン病」を発症…。
黒板の字が大きく書けない。声が思うように出せない。大きい動作ができない。姿勢がどんどん前かがみになってゆく-。友人の体育教師からパーキンソン病の典型的な姿勢にとても似ているとの指摘を受け、病院に行きました。診察室に入った瞬間、Nさんの姿勢を見たDr.に「間違いなくパーキンソン病だ」と診断されました。
 
それから6年ほどの間、徐々に動きは悪くなっていきましたが、主治医は薬の種類や量を変えることもなく、単に同じ薬をもらいに行くだけの通院でした。ついには転んでも一人で起き上がれなくなり、そのたびに奥さんが家事を中断して引っぱり起こさなければならなくなりました。お風呂ももちろん介助が必要。「このまま寝たきりになるのだろうか…」。発症以来一番深刻な時期でした。
そんな時、金沢大医学部附属病院神経内科医のK先生に出会い、新しい処方をしてもらいました。その薬がたまたまNさんに合ったため、一時的に目覚ましく動きが良くなりました。残念ながら今は飲み始めの頃の劇的な効き目はありませんが、一番ひどかった頃にはできなかった起き上がりや入浴ができます。「主治医に伴走してもらっている」という安心感が病状に与える影響は大きいようです。

Nさんはパーキンソン病特有の声が小さくなる症状の改善のためにカラオケに力を入れておられ、昨年は約500人の観客が集まる町のカラオケ発表会にも出場されました。三度笠に縞の合羽の衣装で、氷川きよしの「番場の忠太郎」を熱唱し、大きな拍手と司会者のインタビューを受けました。
Nさんは現在「石川パーキンソン病友の会」の事務局長でもあります。昨年東京で開かれた全国大会にも石川県支部の代議員として出席しました。また、昨年4月から、毎月行われる定例会の報告を書いた会報も、パソコンで毎月一生懸命作成して発行しておられます。

「以前は、事務的な援助をしてくれていた保健センターが援助をしてくれなくなってきました。病人が病人をまとめていくのには限界があります。今、会の中には、ボランティアとして事務的な仕事を一手に引き受けてくださっている方がいますが、私と同じ世代の方で、大変な負担をかけていると思います。家族の方々や若いボランティアの方々など、層の厚い周囲のサポートが欲しいと感じます。そして友の会としては、今後しっかりとした基盤を作り、会として『何ができるのか』をテーマにして動いていきたいと思っています」
同じ病気の方々へ「私の好きな言葉に“Tomorrow is another day(明日は明日の風が吹く)”という言葉があります。医学は日々進歩しています。望みを捨てないで、自分のできることをしながら、大いに人生を楽しんでいきましょう」と笑顔でメッセージを送ってくださいました。