沖縄事業所「いつか島へ帰る日のために」

沖縄県那覇市 M・Sさん(55歳)


台湾までわずか111kmという日本最西端の国境の島、与那国島をご存知でしょうか。平成15年にフジテレビで放送された「Dr.コトー」のロケ地になった、断崖絶壁に囲まれた孤島です。
平成17年の夏、その島でドラマさながらの体験をなさった方がいらっしゃいます。
Sさんは島の老人介護施設でヘルパーの仕事を終え、帰宅後に自宅で倒れました。与那国島の診療所では治療ができず、翌日海上保安庁の緊急搬送ヘリで石垣島に運ばれ多発性脳出血と診断されました。石垣島の病院で容態が安定するのを待ち、その後さらに設備の整った沖縄本島の病院に移り、約5ヶ月間入院生活を送りました。現在は那覇市内にある娘さん宅に同居して、麻痺が残った左半身の回復に向けてリハビリを継続中です。

住み慣れた島を離れて2年が経ちました。やると決めた事は最後までやり遂げないと気がすまない性格だとおっしゃるSさんは、リハビリ入院中も早く良くなりたい一心で、介助や見守りが必要な時期に看護師さんの目を盗んではご自分のベッドからトイレまで移動したり、病室周辺で歩行訓練をしたりして度々注意されていたそうです。また、退院後も娘さん達に迷惑をかけたくないという思いから、つい限度を超えて一人で動き回ったり料理をしたりしては逆に娘さん達に心配をかけ、怒られていると笑っておられました。

与那国島の道
週2回のデイケア以外にも、一人で時間をかけながらでもリハビリを兼ねて家事をこなし、自主的に運動をして過ごされていらっしゃるそうです。
「常に前向きで過ごそうと心がけても辛いこともある…。そんな時は、歌を歌っているよ。医療施設が不十分な島に帰るには心身ともに自信をつけないとね」とおっしゃる祖納元さんの優しい笑顔の中には強さがみなぎります。
イタリアに住んでいる孫と娘夫婦に会いに行くことを大きな目標に、今日もリハビリに励むSさんです。