群馬事業所「やってできないことはない」

群馬県安中市原市 E・O様(67)


 Oさんは平成18年7月、脳内出血で倒れられました。それまでお元気だったOさんにとって、まさに青天の霹靂(へきれき)でした。
現在、右片麻痺があり、肩から足の方まで右半身全体が痺れているそうです。お天気が崩れると一層痺れが強くなり、マッサージ師が伺うのを心待ちにしてくれています。 半年くらい入院していましたが、退院の一ヶ月くらい前に理学療法士・作業療法士に「Oさんは器用だから出来るよ」と、リハビリの一環として勧められた「メタリック・ヤン」。高級ラメ糸を専用型紙に縫い込み、刺繍のように模様を作り上げます。デザインは自由。いくつか組み合わせて箱などを作ります。
 右手に麻痺が残っていたために、糸を通すのも一苦労。手で押さえる事もままならないため、顎を上手に使いながら一つ一つ丁寧に仕上げていきます。今では、ティッシュBOXカバーやソーイングBOX等を作っていて、根をつめると夜中の二時過ぎまで夢中になってしまうそうです。小さな作品でだいたい二日、大きな作品になると十日もかけて仕上げるとのこと。「何でもやって出来ない事はない、人に出来る事は自分にも出来る」。そう思いながら毎日を過ごしています。
そんなOさんは、病気になった事を悲観するでもなく、常に前向き。人に頼るのは嫌いな性格のため、不自由ながらも何でも自分でやってしまうので、最近介護度が要介護から要支援に変わってしまったらしく、「何でも出来ちゃいけないのかな」とポツリと呟きました。
 
 今は手芸品を買いに行く楽しみと、仕上がった作品を人にあげる事の喜びを感じながら、次なる作品に挑んでいます。「手はとても大事なの。右手はあるだけでは淋しい。やはり使えないとね」と言いながら手に向かって「今日も頑張って」と話しかけているとても可愛らしい女性です。
押し花

 病気になる前は、「龍生派華道教授」として、また「押し花絵インストラクター」として活躍し、大勢の生徒さんに指導していました。今は、以前のように押し花絵を作り、秋には個展を開きたいという大きな目標を持っています。そんなOさんの頑張りが、同じような病気の人達の励みになればと思いつつ、夢が実現出来るように私たちも応援していきたいと思います。