茨城事業所「あなたでなければ」

茨城県水戸市 K・Mさん(54歳、頚髄損傷)


 Mさんは平成21年1月に自宅階段から転落し、救急車で運ばれました。最初は首から下は全く動かず、リハビリ専門の病院に半年近く入院され、リハビリに励みました。事故前まで現役でお仕事をされていた圭子さんにとって、あまりに突然の出来事でした。
 リハビリ専門病院退院を間近に控え、一時帰宅するMさんを、ご主人が片道約1時間かけて迎えに来ました。

 その頃のMさんは、障害を持ってしまった自分の現状を受け止めることができず、かなり精神的に追い詰められた状態だったようです。
 自分が退院して自宅に戻ったら、家族に負担をかけてしまう…そんな思いから、「家には帰らない! どこか施設にでも入れてほしい!」と、強くご家族に訴えたそうです。
 一時帰宅の帰りの車中で、心を閉ざしかけた頑なな圭子さんの心を動かしたものが、口下手なご主人が見つけてきた歌のプレゼントでした。

 同じ曲が何度も車の中で流れているのを不思議に思っていたMさんに、ご主人がボソっと「これが今の自分の気持ちだから…」と言ったそうです。
その歌は中島みゆきさんの「あなたでなければ」という曲でした。曲や歌詞そのものも心を打たれるものでしたが、その歌を一生懸命探してきてくださったご主人の気持ちが何よりも嬉しかったそうです。
 それからは、病院のリハビリ仲間のご家族から「本人になんて言葉をかけて良いか分からない」という話を聞くと、「この歌を聴かせるといいよ!」と紹介されているとか…。

音符
 Mさんは言います。「この障害を持ってしまったことは不幸なことかもしれない。でも障害を持ってからの方が、良い人たちにたくさん巡り会えている気がする。そして家族の力の大きさを改めて知ることができた」
 考えたって仕方ない…そんな気持ちを持ちながら、それでもたまには泣きたくなる時もあるそうです。そんな時には思いきり泣いてみるそうです。
 リハビリを頑張ったおかげで、今では自力で車椅子に移乗することもできます。
 とても頑張り屋のMさん。私たちも微力ながら、マッサージを通してこれからもMさんのサポートができればと考えています。