徳島事業所「ご夫婦二人三脚で」

徳島県名西郡石井町 N・H(75歳、肺気腫)


 ふれあいとHさんの出会いは、徳島事業所を開設して間もない頃でした。
 Hさんが訪問マッサージを探されていた時に、往診で入られていた病院の居宅介護支援事業所の担当ケアマネージャーさんから「昨日、ちょうど訪問マッサージのパンフレットを持ってきたのでどうですか?」と紹介されたのがきっかけでした。徳島事業所第1号の患者様です。
 平成4年5月に肺気腫を患い、手術を勧めらましたが、断って、現在はご自宅で4世代家族に囲まれて、在宅酸素療法をしながら生活されておられます。とくに体全身がこわる(阿波弁:痛む)ようで、訪問マッサージをご利用頂くまでは、朝昼晩ずっと奥様がマッサージをされておられました。特に寒い日などは息苦しくなるため、マッサージで循環が良くなって息苦しさも軽減され、「ずいぶん楽になった」と喜んでいただいております。
また、「今の体調が維持できるのは、往診の先生と訪問看護師さん、いつも親身になって相談にのってくれるケアマネージャーさんとマッサージのおかげだよ」とHさん。暖かい日には、奥様が介助されて、ご自宅の周りを散歩されるようにもなられました。

 Hさんは、美馬市の山間部に生まれました。41歳の時に2度にわたり大きな台風の被害にあわれ、「ここでは生計がたてられない」と、住み慣れた土地を離れて、名西郡石井町にて昭和51年に8坪のうどん店を始められました。人口の少ない小さな町での商売でしたので、最初は1日10人しかお客さんが入らなかったそうです。広告費を使わずに自らで歩き、商品をアピールして回りました。その地道な宣伝と、美味しさとサービスによって、わずか3か月で月商100万円を達成。35年目の現在では、徳島・香川両県に10店舗、従業員総勢500人を抱える経営者となられました。その経営手腕を買われて、雑誌にも紹介されたそうです。もちろんご自身の経営力・判断力・実行力・創造性によるものですが、陰で支えられた奥様との夫婦愛があればこそのことでしょう。

うどんのイラスト

 担当の米澤施術者は、マッサージをさせて頂きながら、経営のことや、人とのつながりについて色々なお話を聞かせて頂いております。今はご長男に経営を任せておられますが、つい最近まで、新入社員をご自宅に呼んで、経営方針と人生観を指導されていたそうです。
 
 奥様は「マイナスからのスタートで、今まで頑張って必死で働いてきたのだから、主人にはゆっくりしてもらえればと思います」と、常にご主人に対して感謝の気持ちを忘れず、いつも笑顔を絶やさずにおられます。Hさん宅は、みんなを温かく幸せな気持ちにさせてくれるご家族です。
 Hさんのお店「山のせ」に、「『生命を育む食』人をよくすると書いて『食』、おいしさと幸せつくります」と書かれています。この気持ちがお客様にも伝わって、35年間地域の皆様に愛され、ここまで成長し続けたのでないでしょうか。これはHさんの真心と、常に相手に対する思いやりの気持ち(夫婦愛)が作り上げた賜物であると確信しました。
 この幸せな心が皆様の元に届くことを祈って…。