札幌事業所「Mちゃんの夢」

 脳性麻痺で週に一回の施術を受けるT君は高校二年生。その妹で普段あまり関わりをもたない小学校六年生のMちゃんが一度だけ聞かせてくれた将来の夢、それは「お医者さんになること」。口には出していませんが、「お兄ちゃんをなんとかしてあげたい。少しでもお母さんの力になりたい」そんな想いがあるのだと思います。

 ある日、このことが話題に出た時のことです。「お医者さんにはなりたいけれど、最近は遊んじゃってるからな・・・」と申し訳なさそうにお兄ちゃんの顔を見ながら答えるその優しい眼差しに、未来の名医を見た気がしました。「ちゃんとがんばらないとうそつきになっちゃうんだよ」と叱咤激励するお母さんの言葉に背中を向けながらも、「わかってる・・・」と勉強の本を読むMちゃん。そんなやりとりを笑いながら見つめるT君。話すことができないT君の仕草や表情を見ながらの施術の中でも、特にこの家族の愛情を感じた瞬間でした。

 普段から夕飯の支度をしながらもT君の症状を一生懸命に話し、施術方針に耳を傾けるお母さん。小さくても必死に家族の力になろうとするMちゃん。
 たくさんの愛情に包まれるT君のために、私にはどれだけのことができるのか。
 更なる努力が必要であることを考えさせられた一瞬でした。

札幌事業所 貝沼