新潟事業所「自問自答」

 膀胱癌のターミナルの患者様を担当し、週4回訪問したことがありました。主訴は背腰部の疼痛と両下肢の浮腫の緩和でした。ターミナルの患者様を診たことがなかったため、日々手探り状態で施術をしていました。
 背腰部の疼痛は日によって変動するものの、両下肢の浮腫は少しずつではありますが改善しているように感じました。
 体調も安定し、良い感じできているな~と感じていた矢先、初療から1ヶ月程経った頃に容体が急変しご逝去されました。
 あまりにも突然のことでしたが、ターミナルである以上いつ亡くなってもおかしくない状態ではあったと思います。

 亡くなってから1ヶ月後、息子様から写真が1枚届きました。施術を受けている患者様とカメラを向けられていることに気づきもせずに黙々と施術している私が写っていました。「マッサージを喜んでいた。ありがとうございました」というお言葉も頂きました。そのように言って頂いて嬉しい反面、ただ一生懸命することしかできなかったことに申し訳なく感じました。
 最後の1ヶ月を少しでも楽に過ごせる手助けができたのか?もっと何かできたのではないか?自分でなく先輩施術者が担当していればもっと症状を軽くしてあげられたのではないか?と自問自答しました。

 その後も何人かターミナルの患者様を担当していますが、患者様の最期にどのように寄り添って行けばいいのかまだ正解はわかりません。ただ、その「重さ」を感じ、考えさせられるきっかけを頂いた最初の患者様に今も感謝しています。

新潟 神林 啓太

重い心のイラスト