広島事業所『Mさんから教わったこと』

私にとって忘れられない患者様、8月にお見送りした「Mさん」のお話です。

Mさんは末期の癌で余命宣告を受けられており、訪問する度に下肢の痛みや背中の痛みを訴えていました。物言をハッキリ言う方でマッサージにも通い慣れており、毎回「ドキドキ」しながら訪問していました。
ある日、Mさんを訪問すると「足が痛くてじっとしとられん!」と言われ、辛さがひしひしと伝わってきました。「なんで、こんな日に私なんだろう…。先輩施術者の方がMさんにとって良かったんじゃないか?」と思いました。けれども、同時に「なんとか辛さを楽にしてあげたい!」と一心に思い、施術した事を覚えています。すると、最初は話すのも辛そうでしたが、施術後には「あー良かった、ありがとう!」と言って頂きとても嬉しかったです。

私が「自炊」している事を伝えると、料理の話をして盛り上がりました。「湯がいたほうれん草を小分けにして、ラップで包んで冷凍しとくといいよ」という知恵は、今でも続けていてとても役に立っています。また、Mさんのご実家から送られてきたサツマイモを「蒸して食べなさい!」と頂いた事もありました。他にも「人生、体、広島の事」と多くの事を話してくださいました。

さつまいものイラスト
 
8月上旬、Mさんの「訃報」が入り、お通夜に参列しました。私は亡くなった方を拝見するのが初めてで、Mさんが死という事を教えてくださいました。
Mさんに最後の挨拶をさせて頂き、私は「Mさんに教えて貰った料理を作ってみたんですよ。美味しく出来ましたよ。今まで本当にありがとうございました」とお伝えしました。思い返しても私はMさんから頂くものばかりで、私はMさんに対して全然力になれなかったと心残りがありました。
お別れをしたその帰り際、玄関先でMさんの友人にお会いしました。その方は、私に「(Mさんが)あなたの事かわいい、かわいいって言っとったのよ」と教えてくださいました。思いがけずその言葉を聞いて、「頑張りなさいよ!」と言われているようで「涙」が出ました。
本当に多くの事を教えてくださったMさん。たとえ技術や知識は未熟であっても一心に施術をする事の大切さを胸に刻ませて頂きました。Mさんに恥ずかしくないように、ふれあいとご縁を大切にし、痛みや症状の改善を目指し、一人でも多くの患者様に喜んで頂けるように頑張りたいと思います。

広島事業所 M・Tさん