金沢事業所『我々の使命』

 初療から8年半施術にお伺いし、今年の1月3日に亡くなられたI様の事を書かせていただきます。
 I様は男性で、当時64歳、大脳基底核変性症を患い、発症から3年後の平成19年7月に初療にお伺いしました。当時はもう寝たきりの状態で、発声は出来ませんでしたが、こちらの話しは理解出来て、手でまるかバツのサインで意思表示しておりました。施術は四肢の関節拘縮の予防を重点に全身のマッサージと関節可動域訓練を週3回行っておりました。マッサージをとても気に入っておられ、施術中も気持ちの良いご表情で、眠られることも多々ありました。当初から奥様がほぼ付きっきりで、週3回の訪問看護と、週2回の訪問入浴のサービスを受けながら、ご自宅で介護を続けておられました。

 数年前より、主治医の先生のお話として、脳の萎縮が進んでおり、最後は呼吸中枢が働かなくなり、死を迎えることになるでしょうと。その話を聞いて、自分もいずれはと覚悟して、とにかく1回1回の訪問を大事にしようと思っておりました。またその頃から奥様もマッサージを受けられることになり、心身ともに奥様の介護の疲労回復のお手伝いをさせていただくことになりました。

家族のイラスト
 
 1月4日の年明け最初の訪問日のお昼頃に、メールで昨日I様がお亡くなりになられたと連絡を受け、余りにも突然で、胸のあたりが空虚となり、全身の力が抜けるのをどうすることも出来ませんでした。
 後日ご挨拶に訪問した際、奥様の顔を見た途端、涙が溢れ、言葉が出ませんでした。少し落ち着いてから、奥様がご主人の最後のご様子をお話ししてくださり、最後は家族みんなで看取れたことをお聞きしました。
 くしくも1月3日がI様の誕生日で、73歳の天寿を全うされました。
 
 発症時余命5、6年と告げられていたのが、12年を過ぎ、その間主治医、病院の看護師、訪問看護、ヘルパー、訪問入浴、そして訪問マッサージとI様と奥様を中心に、他職種連携で介護のお手伝いの一翼を担えたことに有り難さを感じますし、我々の使命を果たすことが出来たことに喜びを感じます。日々大勢の方々に施術を受けて頂いておりますが、これからも日々笑顔になって頂けるように、精進してまいります。

金沢事業所 Y・Oさん