群馬事業所『素敵な出会い』

 自慢できる事は何もありません。
 患者様と触れ合う僅かな時間の中でたくさんの刺激を受け、家族の有り難さに改めて気づく事ができた、そんなちょっとしたいい刺激についてお話しします。
 50代の男性、右半身に麻痺があり会話は困難ですが、奥様は常に明るく、旦那様のお世話をしていらっしゃいます。まるで介護を楽しむかの様に、愛しくてたまらない、と奥様は満面の笑顔。
 ご主人も、食事の支度をする奥様が、指を切ってしまった時に、絆創膏を持ってきてくれるそうで、言葉は話せなくても、奥様をとても大切にしてくれているようで、とても幸せそうでした。私もそんな風に夫に接する事ができるだろうか、などと考えたりしていました。
 ある日奥様は、写真を眺めながら言いました。
「今日は、この子の誕生日なんだ」「そうなんですか、おめでとうございます」
「29歳になるはずだった」
おじいさんとおばあさん
 
 高校の時に、水の事故で息子さんを亡くしたそうで彼女は突然泣き出しました。
 私はご主人の施術をしながら涙を止める事ができませんでした。
 悲しみに暮れる間もなくご主人が病に倒れ、更に奥様の乳癌、手術、そして親友を癌で亡くされるなど、相次ぐ不幸の連続。2人でひとしきり泣いた後、奥様はまた笑顔に戻りました。
 とても辛かったお話しをまだ担当になって間もない私に話し、涙を見せるなんてそのことでそのご夫妻と、もっと深く繋がる事ができた様に思えました。同時に家族の有り難さを再確認する事ができました。

 これで、おしまいです。自慢でもなんでもありませんが、素敵なご夫婦に出会えた事、それこそが私の自慢です。
群馬事業所 M・Hさん